「善玉菌を増やして、悪玉菌を減らしましょう」
腸活の話で、いちばんよく聞く言葉かもしれません。でも、善玉菌・悪玉菌とは何なのか、本当に「善」と「悪」に分けられるのかは、意外と知られていません。
この記事では、腸内細菌の基本と、最近の研究で変わってきた見方を、鍼灸師の視点でやさしく整理しました。
腸の中には、たくさんの細菌がすんでいる
私たちの大腸には、たくさんの種類の細菌がすんでいます。その集まりを「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」、または花畑にたとえて「腸内フローラ」と呼びます。
腸内細菌は、私たちが消化しきれなかった食物繊維などをえさにして、いろいろな物質を作っています。その働きが、体のさまざまなところとつながっていると考えられ、研究が進んでいます。
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「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」という分け方
日本でよく使われるのが、次の3つの分け方です。
| 呼び方 | よく例に挙がる菌 | 一般に言われていること |
|---|---|---|
| 善玉菌 | ビフィズス菌・乳酸菌など | 体にとって良い働きをすると言われる |
| 悪玉菌 | 一部のウェルシュ菌など | 増えすぎると、腸の中で好ましくない物質を作ると言われる |
| 日和見菌(ひよりみきん) | 多くの菌 | 善玉・悪玉のどちらにも単純に分けにくい菌を、まとめて説明する時に使われる呼び方 |
この分け方は、腸内細菌をイメージしやすくするための、分かりやすくした呼び方です。
最近の研究では、見方が少し変わってきている
研究が進むにつれて、腸内細菌は「善」と「悪」の2つにきれいに分けられるものではない、と考えられるようになってきました。
- 同じ菌でも、場所や量、ほかの菌との関係で働きが変わることがある
- 1種類の菌を増やすことより、いろいろな種類の菌がいること(多様性)や、全体のバランスが注目されている
- 腸内細菌の顔ぶれは、人によって大きく違う。「この菌が多ければ健康」と一つに決められない
- 菌の名前だけで、その人の健康の状態を決めることはできない
ただし、腸内細菌の研究は、まだ途中の部分がたくさんあります。「この菌が多いと○○になる」と言い切れる段階ではありません。
東洋医学では、どう考える?
東洋医学には「腸内細菌」という言葉はありませんが、食べた物を消化して体に必要なものに変える働きを、「脾(ひ)」や「胃」の働きとして大切に考えてきました。
食べすぎや冷たい物のとりすぎ、不規則な食事は、この働きを弱めると考えます。温かい物を、よくかんで、決まった時間に食べることを大切にする東洋医学の考え方は、毎日の食習慣を整えるという点で、研究の見方ともつながる部分があります。
毎日の食事でできること
特定の菌を「増やす」ことより、いろいろな食べ物で、腸内細菌のえさを届けることを意識してみましょう。
- 食物繊維の多い食べ物を、いろいろな種類で:野菜・豆・海藻・きのこ・いも・雑穀など
- 発酵食品を、無理のない量で:みそ・納豆・ぬか漬け・ヨーグルトなど
- 同じ物ばかり食べない:週の中で、食材の種類を少しずつ増やす
- よくかんで、決まった時間に食べる
- 食物繊維や発酵食品を急にたくさん増やすと、お腹が張ることがあります。少しずつ増やしましょう
こんなときは医療機関へ
- 便秘や下痢が長く続く、くり返す
- 血が混じる、強い腹痛がある、熱がある
- 体重が急に減った、食欲がない状態が続く
まとめ|「善と悪」より「いろいろな菌がいること」
- 善玉菌・悪玉菌・日和見菌は、分かりやすくした呼び方
- 最近の研究では、いろいろな種類の菌がいること(多様性)や、全体のバランスが注目されている
- 研究はまだ途中で、「この菌で健康に」とは言い切れない
- 毎日の食事では、食物繊維と発酵食品を、いろいろな種類で少しずつ
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参考にした情報
本記事は、東洋医学や鍼灸師の視点から日常のセルフケアを紹介するものです。医療行為の代替ではありません。症状が強い場合や長く続く場合は、医療機関にご相談ください。

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